「人間の軸」と言ったら「腸腰筋」を紹介せざるを得ない件

こんにちは!沖縄那覇のパーソナルトレーニングスタジオstudio kinariのミナミです。前回の200回目の記事更新から2週間が過ぎ、あっという間に9月に突入してしまいました。時間が空いたのにはちゃんと理由があって、8月も後半1週間ほどは東京に研修&出張で何かとバタバタしていたのです。毎回出張に行くと「出張レポート」をブログに更新しているのですが、これはまた次回に。

ちょっと前まで「虫様筋(ちゅうようきん)」とか「背側骨間筋(はいそくこっかんきん)」とか、一般的な需要はほぼ皆無と思われる記事を更新していたので、今回はどんなマニアック筋肉を取り上げてやろうかと思っていたのですが、先日東京に出張で行った際に

「最近の記事はマニアック過ぎて読む気が起きない」

とのお言葉を頂いたため、もう少し皆さまに寄り添って更新をしていこうと思います。そんなこんなで今回は、意外とこれまでに紹介をしたことがなかったけど、一般トレーニーでもその存在を知っている人は多い「腸腰筋(ちょうようきん)」のご紹介です。

「腸腰筋」は総称って知ってる?

というわけで本日も参りましょう!まずは腸腰筋に関して基本的な知識から。そもそも「腸腰筋」という筋肉は存在しません。これ、筋肉あるあるで、総称とか、俗名で呼ばれることがとっても多いので多くの人が勘違いしていますが、例えば多くの人が「腹筋」って言うじゃないですか。そんな筋肉、どれだけ解剖書を探しても見つかりません。正確には

腹筋群

であって、その中の「腹直筋」だったり「内腹斜筋」「外腹斜筋」「腹横筋」であるわけです。ただ、一般的にいちいち

「お、呼吸がうまく出来ているね!腹横筋がうまく働いているのかな?」

なんて発言をした日にはその日からキモい人認定間違いありません。いいんです。普通の会話では腹筋って言って。

で、これと同じように、「腸腰筋」という筋肉はあくまで俗称で、正確には

□大腰筋(だいようきん)
□小腰筋(しょうようきん)※注意
□腸骨筋(ちょうこつきん)

の三つの総称です。ただし、三つの筋肉のうち「小腰筋」だけは半数以下の人には進化の過程で失われた人もいます。こういう「無くなっちゃった系筋肉」は体には結構あって、例えば腹筋の中で白線(腹筋のいわゆる縦線)を緊張させるという役割を持つ「錐体筋(すいたいきん)」という筋肉があるのですが、これも数%~約20%の人には無いと言われています。

ですので、「腸腰筋」と言われたら、「大腰筋」「腸骨筋」の二つの筋肉のことだと分かればOKです。はい、ここで筋肉のイメージ図を見ておきましょう↓

腸腰筋を鍛えるメリット&弱くなるとどうなるか

で、腸腰筋の実際にどんな機能があるのかと言うと、

「股関節の屈曲」

もうこれだけです。これだけ覚えてればOKです。要は股関節を曲げれば(脚を上げれば)使う筋肉なわけです。

それくらい普段からしてるよ!!

って今思いましたか??本当に??意識的に脚を上げる動きなんて普段やりますか??どんな時に??

恐らく多くの方が「脚を上げる」という簡単な動作さえやってないのではないでしょうか。

ちなみに、腸腰筋が弱くなると以下のような不調が起きることが予想されます。

・猫背(骨盤の歪み)
・最近つまづきやすい
・腰痛
・下っ腹ぽっこりお腹
・便秘がち

こんなところでしょうか。そうですね、どの項目も一個だけ当てはまっても断定はできないんですが、一番有力候補は「最近つまづきやすい」で、その他2つくらい当てはまっちゃうと「腸腰筋、弱いかもね」と判断していいかと思います。

じゃあ、逆に腸腰筋を鍛えるメリットは何なのかというと、デメリットの裏返し的な話ですが、

・姿勢が良くなる(体の歪みがなくなる)
・つまづかなくなる
・代謝が良くなる(痩せやすくなる)

こんな感じです。これらのメリット・デメリットって、腸腰筋の位置と形を把握しておけば理解できるところなので、もう一度解剖図を見てみましょう↓

どこについているかと言うと、腸骨筋は腸骨窩から小転子、大腰筋は脊柱(Th12~L5)から小転子なのですが、超簡単に言えば

脊柱(背骨)から大腿骨(ふとももの骨)

にかけてつながっている筋肉です。つまりですね、僕の下手な絵で書けば、こんな感じでついてる筋肉です↓

ですので、見たら分かる通り、体の前面&骨盤の下についてる筋肉なので、きちんと働いていれば骨盤を下方に引っ張る力が働くわけです。逆に言えば、腸腰筋が弱くなると骨盤を下に引っ張る力が弱くなる。するとどうなるか。

骨盤に付着する他の大きな筋肉に引っ張られるわけです。例えば大殿筋。大殿筋は体の背面&骨盤の下側についてる筋肉ですので、腸腰筋が弱くなると骨盤が大殿筋に強く引っ張られて骨盤が後傾する可能性があります。

すると、背骨の土台が後ろに傾いているので、その連動で脊柱(背骨)の弯曲も強くなって猫背になるわけです。

ですので、腸腰筋が強くなれば骨盤周りの筋肉のバランスが取れるので、姿勢は正常に戻る。姿勢が良くなれば他の抗重力筋(抗重力筋についての詳細な説明は今回は割愛)が働くので代謝が上がるから痩せやすくなる。腸腰筋が強くなることで股関節を屈曲する力が強くなるのでつまづきにくくなる

というメリットが生じるわけです。ご理解いただけたでしょうか。

腸腰筋を鍛えるのに効果的なトレーニングは?

さて、この腸腰筋をどう鍛えるかと言うと、勘の良い方はすでにお気づきでしょうが、機能が

股関節の屈曲

ですので、脚を上げてりゃ鍛えられます。さすがにこれでは雑すぎるので、強度の強い順に三つご紹介しましょう。

Vシットアップ

寝そべった状態から上半身も下半身も使って写真のような状態になるトレーニングです。見る人によっては「いやいや、こんなの無理でしょ」と思われた方は次のトレーニングに進みましょう。

レッグレイズ

こちらのトレーニングは当スタジオに来られた方で「下腹部を鍛えたい」とオーダーをくださった方には必ずと言っていいほどやって頂くトレーニングです。キチンと行えれば腸腰筋だけでなく、腹直筋下部にも効いてきます。これも出来ない?では、さらに強度を下げましょう。

ニーレイズ

これはどうでしょう。さすがにこれくらいは出来て欲しいところです。

ちなみに、あんまり細かくポイントを書きすぎると逆にやりたくなくなると思いますので、とりあえずやってみてください。よく「合ってるかどうか」を気にして何もしない人がいますが、運動なんて「やらないよりはやった方がいい」わけです。四の五の言わずにとりあえず写真の通りに動いてみましょう。大丈夫です、ちゃんと効いてますから。

こうゆう記事は自分らしくない気がする

というわけで、今回はメジャーっちゃメジャーなのにこれまでに紹介してきていなかった筋肉の説明をしていきましたが、「なんで今まで書いてこなかったんだろう?」と自問自答すると、単純に

面白くない

ということが浮かび上がります。別に腸腰筋が悪いわけではないのです。むしろ、身体機能にとっては絶対に外せない筋肉の一つですし。でも、それくらいメジャーな筋肉だからこそネットで紹介すればいくらでも情報が出てきます。

(ちなみに、今回試しに調べてみたところ、ビビるくらい間違った情報も出てきました。いわゆる人体について勉強したことは無い人が運営している情報サイトだとこういったのも非常に多いのでネットで検索する際は気を付けましょう)

ですので、たまにはこういうのもアリですが、僕としては、

僕だからこそ書ける記事

を書いて紹介していきたいのです。それが以前紹介した虫様筋だったり大腿方形筋だったり、一般的には全然メジャーじゃないけど、実は縁の下の力持ち的な役割を果たしている筋肉であるわけです。

人体って、一般的に知られている大きい筋肉(大胸筋とか、大腿四頭筋とか、大殿筋とか)だけじゃなくて、全身で筋肉だけでも600以上が複雑に機能して一つのシステムとして成立しているので、そんな人体の面白さを僕の記事では伝えていければと思います。

でも、あまりにも追求しすぎると誰も見てくれなくなるのでほどほどに・・・

ではでは。

studio kinari ミナミ